配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
極小対数的食違い係数の研究を行った. 極小モデル理論とは標準因子の比較によって各双有理同値類から代表的な多様体を抽出する理論であり,現在,極小モデルプログラム(MMP)の形で定式化されている.高次元MMPの完成にはフリップの存在と終止を示さなければならないが,最近Birkar, Cascini, Hacon, McKernanによりフリップの存在が証明され,極小モデル理論は俄かに確実な前進を遂げた.目下,フリップの終止予想が最重要な課題であるが,Shokurovによるとそれは極小対数的食違い係数に関する二つの局所的問題に還元される.しかしながら実情は,どちらの予想の系でもある,次元を固定したときの係数の上からの有界性すら全く未解決である. 私は過去2年度この視点から極小対数的食違い係数の逆同伴を研究した.今年度はその延長から,係数の有界性問題をRiemann-Rochの定理の観点から以下の原理に基づき考察した.消滅定理が適用される範囲でEuler標数は大域切断の次元となるが,Riemann-Rochの定理からそれは変化する.よって標準因子は係数がある程度小さい因子で実現されるが,それは極小対数的食違い係数の有界性を意味する.私は係数の有界性を,特異点の程度が良い場合の重複度或いは埋込次元の有界性に帰着させた.また3次元ではこの手法で係数の有界性が得られることがほぼ分かった.
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