研究課題/領域番号 |
17740064
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 自治医科大学 (2007) 首都大学東京 (2005-2006) |
研究代表者 |
上野 敏秀 自治医科大学, 医学部, ポストドクター (40381446)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | サンプリング近似 / 標本補間 / スプライン / sinc関数 / Strang-Fix条件 / ヘルダー連続関数 / 離散近似 / 誤差評価 / 高精度補間 / sinc-interpolation法 / 偏微分方程式 / ウェイヴレット / 境界スプライン / 線の方法 / Galerkin法 / ニュートン補間多項式 |
研究概要 |
等間隔の標本点での値から高精度な補間を実現するための基底関数の条件として、Strang-Fix条件とモーメントに関する条件が知られており、これらの条件を満たすように基底関数を構成することから高精度近似をアプローチした。その一つの方法として、数種類のカーディナルB-スプラインを用いて上記の条件(有限次)を満たすようにして構成したスプライン関数はその一つの成果である。このスプライン関数は、対称でコンパクト・サポートを持ち、標本点を補間するものである。また、近似する関数の導関数の近似にも適しており、基底関数自体から1・2階導関数の離散近似(中心差分近似)に用いる係数が導出できるものあり、これからの応用においても注目すべき特徴である。また、このスプライン関数導出過程では、数種類のスプライン関数組み合わせ方をうまく選べば一次結合の係数が一意に決まる、というカーディナルB-スプラインの新たな性質も見出すことができた。 基底関数の高精度近似のもう一つのアプローチとして、sinc関数を修正することにより遠方での減少を早くした基底関数も導出した。この関数は、コンパクト・サポートを持たないが、無限次のStrang-Fix条件とモーメントに関する条件を満たし、上記のスプライン関数を用いた標本補間より高精度な補間を実現した。この修正sinc関数を用いた成果は、性質の良い関数に対してL^pノルムによる近似誤差評価と数値的検証であったが、新たにヘルダー連続関数に対しても理論的誤差評価と数値検証を行い、その有用性を試みた。実際、理論オーダーと数値検証オーダーは一致しており基底関数を用いたサンプリング近似の新たな応用範囲を見ることができた。しかし、数値的検証ではそのような性質は修正sinc関数だけでなく、ただのsinc関数でも有していることがわかった。sinc関数でも証明できるかが今後の課題の一つであり、sinc関数の優れた性質の再発見になるのではないかと考えている。
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