研究課題/領域番号 |
17740088
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木下 保 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90301077)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 双曲型 / システム / ライフスパン |
研究概要 |
非線形双曲型システムに取り組む上で、18年度は非線形問題をモデル化した線形問題の大域解の存在と非線形問題へ移行する上での必要な条件等を考察した。19年度は非線形問題に関して、次のような研究を行った。 1.フライベルグ大学のM.Reissig氏と、2×2のシステムの係数が激しく振動する場合について、最適な条件を見つけ出した。このことは、係数が未知関数を含む準線形の方程式の場合に重要である。また一般のNXNのシステムの場合に必要な条件の予想も可能となり、現在もコンピューターを用いて、その詳しい解析をして研究を行っている。 2.ある特別な形の非線形項を持つ双曲型タイプの方程式について、正確な解の表示を導きだすことに成功した。これにより、解のライフスパンの増大度も厳密にわかり、興味深い例がいくつか得られた。さらに、解の滑らかさと、非線形の果たす役割等も正確に分析することが可能であるため、応用上たいへん意義がある解の表示と思われる。 3,テキサス大学のK.Yagdjian氏と双曲型タイプの中でも特にトリコミ方程式に対する非線形問題ついて、線形の結果を踏まえて議論を行った。精密なエネルギーの減衰評価とその反例も得ているので、今後の研究へつながると考えている。また、トリコミ方程式と似た形をしているまた別の方程式に関しても現在、研究を進めている。 3年間の研究を通して、システムの研究は解析分野だけでなく、代数分野や幾何分野とも関係し大きな広がりをもつことがわかった。今後も多いに発展していく魅力的なテーマであるため、継続して研究を行いたいと考えている。
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