研究課題
若手研究(B)
1.Chandra衛星でM17 HII領域を観測し、886ものYoung Stellar Objectsを検出した(Broos, et. al. 2007 ApJS)。その40%はAvが10等以上の減光を受けた若い天体であり、IRS5/UC1領域、Kleinmann-Wright天体、M17-Northといった有名な星生成領域や、新たに発見した、2pcの長さの孤状領域、0.1pcスケールの領域にある程度が付随していた。残りの減光を受けた天体は、集団で生まれている星よりも多く、分子雲全体に大きく拡散していた。M17には何百かのClass I原始星候補が存在するとされているが、結局そのうち64個からX線が検出された。2.すざく衛星による銀河中心方向のサーベイで、早期A型星から大きなフレアが受かった(Miura, et. al.2008 PASJ)。強い磁場が存在しないとされるA型星から、原始星と共通する大きなフレアが受かったことは驚きに値する。フレアループの磁場の強さは、50gauss、ループの長さは0.05AUと導けた。最も考えられうる放射機構は、そのA型星は他の星と近接連星系をなしており、相互作用を及ぼしあうことによって磁場が増幅されているという説である。3.すざく衛星を用いてM17 HII領域の拡がったX線成分を検出した。高電離状態の元素からの輝線を複数検出し、この拡がったプラズマは、300万度程度の単一温度の太陽コロナモデルでフィッティングできること、水素に対する元素の組成比は太陽組成比の0.1-0.3倍であること、元素同士の組成比はNeを除いて大体太陽組成と同等で、Neのみが太陽組成の2倍あることを明らかにした。これらの結果は我々の観測した5pc程度の拡がりのどこでも同じ結果であった。4.すざく衛星を用いて、超新星残骸の研究(Bamba, et. al.2008 AdSpR、Takahashi, et. al.2008 PASJ)、および超新星残骸の集合体と考えられているNorth Polar Spur (Miller, et. al. 2008 PASJ)の研究を行った。
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