研究課題/領域番号 |
17740143
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 名古屋大学 (2006-2007) 京都大学 (2005) |
研究代表者 |
杉本 茂樹 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (80362408)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 超弦理論 / 量子色力学 / Dブレイン / 双対性 / ハドロン / インスタントン / バリオン / 超重力理論 |
研究概要 |
実施計画のとおり、超弦理論を用いたQCDの解析に関する研究を行った。2004年の暮れに、超弦理論の枠内にQCDを実現し、超重力理論による近似の範囲内で解析する方法を提案し、特にメソンの質量や相互作用をうまく再現することを示した。今年度は、昨年度に引き続き、この方法を用いてバリオンの諸性質を導く研究を行った。このモデルでは、ハドロンの低エネルギー有効理論は5次元ゲージ理論によって記述され、バリオンは4次元空間において局在化されたインスタントンとして実現される。このインスタントンに対して、ソリトンの量子化の手法を用いて解析した結果、バリオンのスペクトルを定性的にかなりうまく再現することが分かった。特に、核子の励起状態にパリティが負の粒子と正の粒子がほぼ縮退して現れるという、ナイーブなクオークモデルでは説明できない不思議な性質を自然に再現したことは特筆に値する。この成果は今年度に論文として発表した。また、核子の磁気モーメントや荷電半径などの諸量を計算する手段を開発し、これも実験値をかなりうまく再現することが分かった。また、核子が2つ以上ある場合の相互作用に関する研究も進めており、2核子系のハミルトニアンを計算した。これらは、あと一息で論文としてまとめられそうな段階まできている。 また、スピンが2以上のメソンを取り扱う方法についても研究を進めている。どのような粒子が含まれるかがだいぶ分かってきたが、パリティなどの諸性質を特定するための解析を進めている段階である。
|