研究課題
若手研究(B)
ビーム集束型エッジフォーカスウイグラーを大阪大学産業科学研究所のLバンド電子線形加速器に導入し、遠赤外領域のSASE (Self Amplified Spontaneous Emission:単一通過型自由電子レーザー)のビーム実験を行った。ビーム実験では、基本波波長220μmとともに非線形高調波である2次および3次高調波の観測に成功した。以前、プラナーウイグラーを使用していた時にも高調波を測定する事ができたが、SASEの強度が弱く基本波・2次・3次高調波を1度のスペクトル測定で観測する事はできなかった。今回、エッジフォーカスウイグラー導入後のスペクトル測定では、SASEの基本波および2次・3次高調波の強度が以前よりも約3〜5倍上がったため、1度のスキャンで3次高調波までのスペクトルを測定することができた。この事から、我々はビーム集束型エッジフォーカスウイグラーを導入する事によりSASEの高輝度化に成功したといえる。その他、基本波のスペクトル幅について測定とFEL1次元モデルとの比較を行った。結果、測定の方がわずかに理論値よりも狭い事が分かった。これは、計算に用いた電子ビームパラメータが実際と僅かにずれていたためと思われる。またウイグラー内でのビーム集束効果を確認するため、電子ビーム状態を変えずにウイグラーギャップを変化させ、ウイグラー内に設置してある3つのプロファイルモニターを使いビームサイズ測定を行った。ギャップを変化させたときの自然集束カの変化が大きく、エッジ集束効果によるビームサイズ変化をはっきりと確認する事はできなかった。しかし、ビーム集束型エッジフォーカスウイグラーを使う事により、ウイグラー内のビームサイズをプラナーウイグラーに比べ明らかに「小さくでき、SASE光のゲインを向上させることができた。
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International Journal of Modern Physics B Vol. 21, Nos. 3&4
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Proc. of the 28^<th> International Free Electron Laser Conference
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