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フェムト秒時間分解発光測定による半導体量子点のキャリア・スピンダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 17740185
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 物性Ⅰ
研究機関筑波大学

研究代表者

冨本 慎一  筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助手 (90396599)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
キーワード半導体量子点 / フェムト秒分光
研究概要

前年度に製作したアップコンバージョン法によるフェムト秒時間分解PL測定系を用いて、InAs/InP量子点における励起子の輻射再結合過程を調べた。この量子点は高さが数原子層程度の薄いディスク形状をしている。原子層の高さを単位とする離散的な高さ分布をもち、それに対応して試料のPLスペクトルは分裂したピークを示す。そのため、各ピークをスペクトル分解した測定により、閉じ込め励起子の輻射再結合寿命の量子点高さへの依存性を精度良く決定出来た。また、InAs/InP量子井戸試料における同様の測定の結果との比較から、励起子の並進運動の自由度の相違が輻射再結合過程にどのような影響を与えるかを実験的に明らかにした。本研究で得られた知見は具体的に次の2つにまとめられる。(なお、試料は(独)物質材料研究機構より提供されたものである。)
(1)調査したディスク状InAs/InP量子ドットでは、励起子の輻射再結合寿命は低温で1.2ns程度であり、ディスクの高さに対する依存性はほとんどなかった。これは、量子ドットの高さが数原子層程度と小さい場合、閉じ込めエネルギーの増大に伴って、電子及び正孔の波動関数のInP障壁層への染み出しが大きくなり、ディスクの高さが変わっても、その方向の励起子波動関数の広がりが実質的にほとんど変わっていないことを示している。
(2)InAs/InP量子井戸で輻射再結合寿命が温度に比例したのに対し、ディスク状量子ドットでは寿命の温度依存性は低温(100K以下)ではほとんどなかった。これは、励起子の2次元平面内での並進運動が抑制された結果であり、量子状態のエネルギースペクトルが離散的となるドットの特徴が明確に現れたものと考えられる。
これらの研究結果は日本物理学会等で公表した(口頭発表2件、ポスター発表2件)。雑誌論文としての発表は準備中である。当初、PL円偏光度の時間分解測定による量子点でのキャリアスピン緩和の観察を予定していたが、PL強度(又は測定系の感度)の不足のため困難であった。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2020-05-15  

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