研究課題/領域番号 |
17740187
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 達也 東京大学, 物性研究所, 助教 (30334345)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 量子ドット / 非平衡 / 近藤効果 / 非平衡久保公式 / 非平衡状態 / ドット |
研究概要 |
近年量子ドット系では、基礎的な物理現象からデバイスへの応用まで幅広く研究が行われている。特に物理現象では、局所的な電子相関効果と量子トンネル効果の拮抗により生じる近藤効果の研究が盛んに行われてきた。古くは磁性合金での近藤効果の研究により、多くの興味深い性質が明らかにされてきた。これを量子ドット系であらためて研究する意義の1つとして、電極間に有限のバイアスをかけることにより定常的に電流が流れた非平衡状態を研究できる点がある。全く新たな状況下の非平衡状熊の近藤効果は、現在精力的に研究が進められている。 メゾスコピック系の非平衡状態での物理量として電流はよく知られており、近年ではショットノイズという物理量も研究されている。最近、Keldysh形式の理論に基づいて、久保公式を非平衡状態へと拡張するという研究を行い、ショットノイズの一般的な公式を提案した。 この結果は、メゾスコピック系での観測量に対しても新しい知見を与えている。観測量であるノイズパワーという量は、カレントーカレント相関関数により与えている。これまで、相関効果がある系ではeV>kB T領域でのノイズパワーが、ショットノイズに対応しているとして議論されている場合が多かった。このショットノイズの定義は曖昧さを含んでいる。今回の公式を用いると、温度やバイアスの制限なく、正確にかつ直接ショットノイズを議論できる。非平衡定常状態の理論に基礎付けられた、全く新しい観点からのショットノイズ研究の展開が可能となっている。 現在、量子ドットのショットノイズ研究へ応用を行っている。ユニタリティ極限での近藤効果の反射波に対するショットノイズから、低バイアス領域での有效電荷の相互作用依存性を明らかにするためにKeldysh形式での繰り込まれた摂動論に基づき、ショットノイズ新公式を用いて計算を行っている。
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