研究課題/領域番号 |
17740221
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
藤井 裕 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 准教授 (40334809)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 磁性 / 物性実験 / 核磁気共鳴 / パルス磁場 |
研究概要 |
通常、物性実験で使用されているパルス磁場発生装置は、数百kJものエネルギーをコンデンサに蓄える、大きなサイズのシステムである。本研究では、まず比較的安価な市販のコンデンサを使用してミニチュアモデルを作成し、小型パルス磁場発生装置を作成した。これによって、強磁場物性測定が簡便に行えるようになるとともに、微少試料での観測や、様々な装置へ組み込むなどの応用も可能となる。我々は、前年度までに作製したミニチュア型パルス磁場発生装置(市販のタンタルコンデンサを並列につないだ全容量が0.l1mFのミニチュアコンデンサバンク二組、および、手製のソレノイドコイル)を使用して、パルス磁場下での^<1>H-NMR信号の検出に成功した。その際、NMRを観測するために、最大磁揚付近において台形状に平らな磁場波形を得るために、放電スイッチとしてMOSFET等の半導体素子を用いて二段階パルス磁場を発生させた。さらに本年度は、一段目のパルス磁場の発生時間の増大に対してNMR信号強度が増大することを明らかにし、二段階化することの有用性を明確にした。また、スピンエコーも観測することができ、発生磁場が十分にフラットであることを示した。スピンエコーの観測は、NMR用のRFパルスとの分離をはかることができる点で、実験上重要である。以上の実験はすべて常温で約1テスラの磁場で行ったが、2テスラ程度以上では、発熱のために液体窒素等を用いてコイルを冷却する必要があることがわかった。この温度域で硫酸銅五水和物の固体試料の^<1>H-NMR信号観測にも成功した。磁場発生コイルの軸方向の長さを短くすると磁場均一度の悪化のために信号観測が難しくなることがわかり、今後に課題が残された。
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