配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
セリウムヘキサボライドCeB_6に非磁性のランタンLaを置換した系(Ce,La)B_6で現れるIV相と呼ばれる秩序相は強相関f電子系たおけるいわゆる「隠れた秩序」の典型例として知られていた。この(Ce,La)B_6のIV相において,単結晶中性子弾性散乱実験を行ったとこる,極めて微弱な超格子反射(測定している磁気秩序が,結晶格子の周期に比べて長い周期であることをき示すもの)の信号を検出することに初めて成功した。その実験結果から得られた磁気形状因子(磁気モーメント分布のフーリエ変換)は特徴的な波数依存性を示し,IV相の秩序は,Ceの磁気八極子が担い,隣り合う八極子のN極とS極が交替的に整列している,きわめて新奇な秩序であることが微視的に検証された。本研究の意義は,「隠れた秩序」の典型例であるIV相の秩序を中性子散乱実験により初めて直接微視的観測したこと,かつ,今回行ったような短波長中性子を用いた中性子散乱実験が磁気多極子秩序の微視的状態を明らかにす上で他の物質へも適用可能な一般的な手法になりうることを実証したことにある(Journal of the Physical Society of Japan 注目諭文,2007年9月21日付の科学新聞掲載)。 また,前年度から引き続き,充填スクッテルダイト超伝導体PrOs_4Sb_(12)の非弾性中性子散乱を継続して行い,特にその低エネルギー磁気励起の磁場依存性を詳しく調べた。
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