研究課題/領域番号 |
17740246
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 恭 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助手 (30335070)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 量子流体 / 乱流 / 統計理論 / 数値シミュレーション / 超流動 / ボーズ・アインシュタイン凝縮体 / 非平衡系の統計物理 |
研究概要 |
低温ヘリウムの超流動状態やアルカリ原子のBose-Einstein凝縮状態などの量子流体の運動は適切な近似のもとGross-Piaevskii(GP)方程式(非線形Schrodinger方程式ともいう)で記述される。 本研究では、GP方程式に外力項と散逸項を付加した量子流体乱流系の数値シミュレーションを格子点数512^3の規模で行い、そのエネルギースペクトルなどの統計的性質を調べた。先行研究においては速度場非圧縮成分のエネルギースペクトルが波数をkとしてk^<-5/3>に比例するという結果が得られていたが、本研究ではこのべき則は観測されず、外力の設定などにより性質の異なる定常状態があることが示唆された。また、本研究のシミュレーションではk^<-3/2>に比例する相互作用エネルギースペクトルが得られた。このべき則は弱乱流理論と整合するが、詳細なデータ解析により、本シミュレーション結果は非線形性が弱いという弱乱流理論の前提が満たされていない、つまり本研究におけるk^<-3/2>則は弱乱流理論では説明できないことが明らかになった。 非線形性が強い乱流の場合にはLagrange繰り込み近似が有効であることが期待される。ただし量子流体乱流への適用法はまだ確立されていない。そこで量子流体乱流と構造の類似点があり近似がより扱いやすい電磁流体(MHD)乱流についてLRAを適用しエネルギースペクトルのk^<-3/2>則を導いた。またMHD乱流の数値シミュレーションも行い、LRAの結果を検証した。量子流体乱流へのLRAの適用は今後の課題である。
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