研究課題/領域番号 |
17740269
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
|
研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
香月 浩之 分子科学研究所, 光分子科学第二部門, 助教 (10390642)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | コヒーレント制御 / パラ水素 / 超高速分光 / 原子・分子物理 / 量子コンピュータ / 低温物性 |
研究概要 |
昨年度の研究では気相中にある二原子分子の電子励起状態に複数の振動波束を作成して、波東間の干渉を観測および制御する実験(コヒーレント制御実験)を行ってきた。本年度はさらに対象となる系を広い意味でのデコヒーレンスのある系へと拡張して、デコヒーレンスが波束の運動に与える影響を観測することを目的とし、大きく分けて二つの系について研究を行ってきた。第一の系は気相中にあるヨウ素分子であり、電子励起状態に振動波束を作成した後に、電子励起状態のポテンシャルを擾乱させる目的で波長800nmの強レーザー光を系と相互作用させた。その後、最終的な系の振動状態間分布をナノ秒レーザーによって準位選択的にプローブした。この結果、800nmのレーザー光の入射によって、各振動準位のポピュレーションがそれぞれ異なる位相で振動し始める様子が観測された。このことは、強レーザーパルスとの相互作用が振動波束を構成する各振動準位によって異なることに対応し、非常に興味深い。詳細な現象の解析は現在行っている最中である。 デコヒーレンス測定の第二の対象は固体パラ水素中に単離したサンプル分子の振動波束に対するコヒーレント制御実験である。昨年度に続き、様々な装置の立ち上げを行った。よりパルス幅の短いレーザー光を得るためにチタンサファイアレーザーでポンプして動作するNoncolliniar OPAを作成した。パルス幅およそ30fs,550nm付近の波長で15μJ程度の出力を確認した。水素ガスを99.9%純粋なパラ水素ガスに変換するためのコンバータを作成したが、触媒との相互作用部分に問題があり、現在部品を改良しているところである。正直なところ、最初に述べた非共鳴パルスの実験で興味深い結果が得られ、そちらに注力したため、当初の計画で予定していた固体水素中での実験を完了することはできなかったがコンバータが完成し次第、固体水素中での実験を行う予定である。
|