研究課題/領域番号 |
17740281
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鈴木 団 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 助手 (40350475)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 単一細胞 / 蛍光イメージング / HeLa細胞 / 温度 / 細胞内カルシウム / Ca-ATPase |
研究概要 |
本研究により、細胞一個の温度変化を検出し、測定する技術を開発した。この技術は、我々が近年開発したミクロ温度計を基にしている。ミクロ温度計とは、細く引き伸ばして先を閉じたガラスキャピラリーの内部に、蛍光色素であるEuropium(III)thenoyltrifluor oacetonate trihydrateを閉じこめたものである。 Ca2+担体のイオノマイシンをHe肱細胞に作用させると、細胞外から細胞質へのCa2+の流入と細胞内小胞から細胞質へのCa2+の流出により、細胞内Ca2+濃度が上昇する。我々は単一HeLa細胞を対象にミクロ温度計を用いることで、この細胞内Ca2+濃度の上昇から若干の遅れを持って、細胞が熱を発生することを見出した。この時間遅れは細胞外Ca2+濃度と逆相関しており、さらにタブシガルギンを用いて細胞内小胞に存在するCa2+盛TPaseの機能を阻害すると、イオノマイシンの作用により細胞内Ca2+濃度は上昇するものの、温度の上昇が抑制された。以上の結果は、細胞内小胞のCa2+-ATPaseの酵素活性が熱発生を導いたことを強く示唆している。 本研究が、単一細胞における熱発生の研究に新たな道を開いたと言える。 また本研究で用いたミクロ温度計は、脳スライスのような対象物を用いた実験において非常に有効に利用できる技術である。なぜなら本技術をこれら実験対象となる臓器へ応用すれば、その箇所の温度を、従来用いられている電気的、化学的、光学的手法から得られる生理的パラメータと同時に測定することができ、それらの相関を見ることが可能だからである。 本研究成果は、"Microscopic Detection of Themlogenesis in a Single HeLa Cell."というタイトルで、生物物理系専門誌であるBio physical Journalへ発表した。
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