研究概要 |
以下に今年度の研究実績の概要をまとめる。 1.複数のテストフィールドにおける応力場推定と応力蓄積過程のモデル化 跡津川断層,新潟県中越地域,糸魚川一静岡構造線での応力場の取りまとめを行った。跡津川断層で見られた応力場の深さ変化は,断層深部におけるすべりを与えることで説明可能であることをモデル計算により示した。現在,論文としてまとめているところである。 2.余震を用いた本震発生後の応力場推定 2007年能登半島地震と2007年新潟県中越沖地震の余震のメカニズム解から推定された応力場は,本震時に特に大きなすべりが生じた領域の周辺で広域応力場と異なっていることを示した。さらに,本震発生後の震源域の応力場は,本震の断層モデルによる応力変化で概ね説明できることを示した。 3.微小地震の応力降下量の空間分布 米国パークフィールドで発生している微小地震の応力降下量は深いところで大きくなっていることを示した。さらに,震源距離100m程度での地震観測により,M-3を下回るような地震が発生していることを示し,その応力降下量は通常の地震と変わらないことを明らかにした。
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