研究課題
若手研究(B)
岡山大学地球物質科学研究センターの高質量分解能二次イオン質量分析言(Cameca ims-1270)は、申請者を中心として運用され、本科学研究費補助金支給期間である平成17〜19年度にわたり大きな研究成果をあげてきた。本年度は、同研究計画の最終年度にあたり、研究期間において作成してきた高精度同位体および微量元素組成に関する標準物質を活用し、天然物質の解析に取り組んできた。とりわけ、玄武岩質ガラスの局所鉛同位体分析法をハワイ火山岩中のオリビンメルト包有物に適用し、詳細な斑晶オリビンの記載と合わせることによって、'鉛同位体の不均質性に関する検討を精力的に行った。この研究成果は現在論文として公表すべく、執筆を進めている。また局所酸素同位体分析に用いる標準物質を、当センターに既設の安定同位体質量分析計(VG PRISM,SIRA12)を用い作成することができた。これを用いた同位体解析にも精力的に取り組む体制が整ったといえる。本科学研究経費支給期間において、リチウム、ホウ素、鉛、酸素同位体の高精度・高確度局所分析が、ガラス試料および、マントル鉱物を中心とした鉱物試料(たとえばオリビンのリチウム同位体組成分析)が確立したことは、今後の応用研究にとっても大きな進歩であるだろう。さらに、高質量分解能二次イオン質量分析計の1次イオン系に新たなレンズシステムを導入し、同イオン電流量の条件において、従来比約60%のビーム径で分析可能にしたことも技術的に大きな成果であった。これによりさらに高空間分解能分析が可能となり、より局所的な分析へと応用範囲が広がるであろう。
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