研究課題/領域番号 |
17750023
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
片柳 英樹 分子科学研究所, 極端紫外光科学研究系, 助手 (00399312)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | イオン液体 / 光電子分光 / 電子状態 / 光イオン光電子同時計測 / フラーレン |
研究概要 |
イオン液体(IL)の液体としての特殊性、および新奇機能性材料としての性質を、主に光電子分光法を用いて、電子状態の観点から解明することを目的として、本研究を実施した。 昨年度は、しきい電子と光イオンの同時計測(TEPICO)用レンズ系を試作し、試験を行った。この試験には分子科学研究所の放射光施設(UVSOR)のビームライン2B(BL2B)に設置されていた気体試料用の真空槽を用いた。この試作装置では、気体試料(酸素等)のしきい電子を計測できたが、ILを代表とする難揮発性物質を用いた同時計測のためには検出効率が不充分であることがわかった。そこで本年度は親型のTEPICO測定用レンズ系を設計し、製作した。計算機シミュレーションを行った結果、レンズ系にしきい電子を選択する能力を持つ電極を加えれば、従来型の10倍程度の検出効率を持つことがわかった。また、難揮発性物質の気相分光を行うことを目的として、新たに真空槽を設計製作し、BL2Bに設置した。これは本研究に加えて「特定領域研究No.18045031」でも使用している。 本研究によってIL等の難揮発性の物質を気相に取り出して分光測定を行うための基礎技術、および装置を開発することができた。本装置を用いれば、上記のTEPICOに加え、種々の気相ILの組成、および全吸収断面積や光イオン化部分断面積など、ILの性質を知る上で基礎的な量を求めることが可能である。なお、気相ILの分光測定は上記「特定領域研究」に発展的に引き継ぐ予定である。各装置の分解能向上を目指した改良を行い、気相IL(イオン対、クラスター)の形状を反映したスペクトルの構造を探索し、ILのドメインとの関係を調べる。この結果からは、ILの液体としての特殊性、および新奇機能性材料としての性質について、より詳細な知見が得られると考えている。
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