研究課題/領域番号 |
17750048
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
二瓶 雅之 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00359572)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | スピンクロスオーバー錯体 / 光応答性分子 / 複合系 / 多重安定性 |
研究概要 |
鉄(II)スピンクロスオーバー(SC)錯体は、低スピン(LS)・高スピン(HS)状態を熱、光、圧力等の外場により可逆に変換可能なことから、分子スイッチとしての応用が期待される物質系である。しかしながら、SC錯体と他の物性を共存させることによる、複合系に関する研究例は未だに多くない。本研究では、分子性導体にSC錯体を導入することで伝導性一SC複合電子系を構築し、熱・光といった外場により電気伝導性を変換することを目的とした。具体的には、(1)鉄(II)SC錯体一分子性導体からなる複塩の合成、(2)TTF部位をもつSC錯体と分子性導体が連結された複合系の構築。まず、SC錯体カチオン([Fe(dppH)_2]^<2+>)とNi錯体アニオン([Ni(mnt)_2]^1)が1:2の組成をもつ複塩[Fe(dppH)_2][Ni(mnt)_2]_2 MeNO_2(1)を合成した。構造解析および磁化率測定から、錯体1は降温・昇温過程においてそれぞれ、高温相(200K↓)、低温相(140K↓)、準安定相(210K↑)の三つの相をもち、転位温度174Kにおいて鉄(II)イオンとNi錯体アニオンの相乗的構造・磁器相転位を観測した。一方、TTFドナー部位をもつ新規配位子dppTTFを用い[Fe(dppTTF)_2][Ni(mnt)_2]-2(BF_4)・PhCN(2)を合成した。2の温度依存磁化率および電気伝導度測定において、SCの構造・磁性変化と電気伝導性に明らかな相関が観測され、SCと電気伝導性との相乗的性が示唆された。
|