研究課題/領域番号 |
17750075
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析化学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山口 佳則 早稲田大学, 付置研究所, 准教授 (20386634)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 時間分解 / キャピラリー電気泳動 / 細胞 / 蛍光 / PDMS |
研究概要 |
細胞一個を対象とした分析方法の開発のため、まずは細胞一個を懸濁液から単離するためのマイクロ流路を改良した装置を開発した。開発した装置は三つのマイクロチャンネルからなり、そのうちひとつのマイクロチャンネルに細胞懸濁液を流す。その細胞が流れてくるチャンネルに細胞一個を個別に補足するための細胞補足ポケットを備えており、流体の原理を利用して細胞一個を単離できる。実験では細胞懸濁液から細胞を一個ずつ3つのポケットに10秒以内に捕獲効率は70%程度で捕獲することに成功した。さて、高感度の測定として、希土類蛍光錯体を生体分子の標識剤として用いた時間分解キャピラリー電気泳動法を新規に開発した。時間分解キャピラリー電気泳動に用いる標識剤として、生体分子と共有結合可能で反応効率の高いジクロロトリアジル基をフェニル基のpara位に持つEu3+-p-DTBTAを合成した。リゾチーム、β-ラクトグロブリン、トリプシンインヒビター、トリプシノーゲン、カーボニックアンヒドラーゼ、卵白アルブミン、ウシ血清アルブミン、ミオンシンをEu3+-p-DTBTAで標識し、これらを仔牛胎児血清中でドデシル硫酸ナトリウム(SDS)-時間分解キャピラリーゲル電気泳動分析を行ったところ、遅延時間0.1 msで血清からのバックグラウンド蛍光の影響を受けることなく検出できた。Eu3+-p-DTBTAを末端に標識した63塩基の一本鎖DNAを用いて、血清中でのハイブリダイゼーションアッセイを行い、c-Ha-ras遺伝子のcodon12の点突然変異を識別することに成功した。従来の希土類蛍光錯体では困難であったC6アミノリンカーを介したDNAへの直接ラベルは、ジメチルスルホキシド(DMSO)を添加し、Eu3+-p-DTBTAの凝集体(擬ミセル)形成を阻害することで達成できた。
|