研究課題/領域番号 |
17750083
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田代 健太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (40332598)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 金ナノクラスター / フラーレン / ポルフィリン環状二量体 / チオール |
研究概要 |
ある種の金属ポルフィリン環状二量体共存下、4級アンモニウムカチオンにより可溶化した金イオンのトルエン溶液に対して水素化ホウ素ナトリウムを添加して金イオンの還元を行い、フラーレン類似金クラスター合成を検討した。金イオンの還元と同時に金属ポルフィリン部位の還元・吸収の消失が起こり、この条件に金属ポルフィリン環状二量体が耐えられないことが分かった。次に、空孔サイズのより大きな環状二量体構築のために、完全縮環した金属ポルフィリントライマーの環状二量化を行った。まず、これまでと同様のアルカリ条件におけるエーテル合成を検討したが、目的とする環状二量体の生成は確認できなかった。そこで、4,4'ビピリジルを鋳型とする環状二量体の高収率高選択的合成に取り組んだ。鍵反応には、鋳型分子と余計な反応を起こさないことが知られている点を考慮して、チオール基の酸化によるジスルフィド結合の生成を選択した。環状二量体の前駆体となる、完全縮環したポルフィリントライマー亜鉛錯体をビピリジルで滴定したところ、正のアロステリック効果が働き、きわめて選択的に目的とするポリフィリン/ビピリジル2:3複合体が生成することが分かった。ここに、チオール基の脱保護剤としてナトリウムメトキシドを添加し、空気下で反応させたところ、目的とする環状二量体が3分子のビピリジルを取り込んだ状態で得られ、収率は90%以上ときわめて良好であった。また、取り込まれたビピリジルは酸処理による亜鉛イオンのデメタレーションによって容易に除けることも分かった。
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