研究課題
若手研究(B)
前年の結果をもとに、二官能性五員環ジチオカーボナートのカチオン重合による多分岐ポリマーの合成を検討したところ、溶媒の極性によって異性化と重合の割合が変化することを利用して、分岐度を制御可能であることを明らかとした。分岐ユニットと直鎖ユニットの詳細な構造解析は二次元NMRスペクトルによって可能であった。また、分岐度が高いほど溶液中での固有粘度が低下する傾向が見られ、特に分岐度の高いポリマーでは重量平均分子量の対数に対する固有粘度の対数の関係が直線性を示さず、分子量の増加に対する固有粘度の上昇の割合が小さくなったことから、分岐構造が支持された。また、ジチオカーボナートと同様に、二硫化炭素を原料として得られる光学活性環状チオウレタンのリビングカチオン重合により、新しいブロックコポリマーを合成し、モノマーの側鎖の立体的かさ高さと水素結合性を適切に選択すれば、ポリマー全体の光学活性的な性質を特定の方向に制御できることを明らかとした。このほかに、六員環環状カーボナート類の開環重合を利用したグラフトコポリマーおよびスターポリマーの合成についても検討した。その結果、毛髪からの開環グラフト重合による毛髪の修飾が可能であること、および水酸基を複数含む界面活性剤を開始剤とすれば、ミクトアームースターーブロックコポリマーが簡便に合成できることを示した。また、得られたミクトアームースターーブロックコポリマーは界面活性を持ち、ミセル形成能を示すことを明らかとした。
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