研究課題/領域番号 |
17750125
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植村 卓史 京都大学, 工学研究科, 助手 (50346079)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 多孔性金属錯体 / ラジカル重合 / ビニルモノマー / 立体規則性 / 多孔性配位高分子 / ナノ細孔 / リビング重合 / ポリスチレン |
研究概要 |
近年、有機配位子と金属イオンから分子サイズ程度の細孔をもつ多孔性結晶(多孔性金属錯体)が合成できるようになっている。これらは従来の多孔性物質(ゼオライト、活性炭)では実現しにくい「完壁に近い規則性」、「設計性の高さ」、「大きな空隙率」を特徴として有する。このような機能性ナノ空間は有機高分子鎖がちょうど一本で包接される程度の大きさであり、重合反応場として利用すれば、得られる高分子の立体規則性、定序性、分子量が制御可能になるだけではなく、多数の高分子鎖の配列や高次構造が精密に制御された新たな有機無機ナノ複合体になることが期待される。そこで、我々は多孔性金属錯体の形成するナノチャンネルを0.4〜1.2nmの範囲で精密に設計し、その細孔を用いて種々のビニルモノマー(スチレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル)のラジカル重合を試みた。その結果、細孔のサイズが変化することで得られる高分子の収率が変化し、細孔サイズが小さくなるほど反応が進行しなくなることがわかった。特に、細孔サイズが0.4nmの錯体を用いた場合は、モノマーとの立体的な障害が大きくなり、反応が全く進行しなくなることが明らかになった。また、得られた高分子の立体規則性も細孔サイズ依存性が見られ、狭い空間中で合成した高分子のタクティシティはメソ構造が多くなることが明らかになった。通常、ビニルモノマーのラジカル重合において、得られる高分子の立体規則性を制御することは難しく、本法は新しい高分子の構造制御法として有用であることが分かった。
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