研究課題/領域番号 |
17750138
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能物質化学
|
研究機関 | 山口東京理科大学 |
研究代表者 |
藪内 一博 (薮内 一博 / 籔内 一博) 山口東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (80389155)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | クロミズム / ずれ応力 / 静水圧 / 自己組織化材料 / 低分子ゲル化剤 / グリオキシム錯体 / ロフィン / ダイヤモンドアンビルセル / メカノクロミズム / 自己組織化 / 金属-グリオキシム錯体 / トリフェニルイミダゾール |
研究概要 |
前年度までに得られた自己組織化材料に対する応力の効果に関する知見を元に、金属グリオキシム錯体およびトリフェニルイミダゾール(ロフイン)をメカノクロミック部位として導入した自己組織性分子の開発と評価に重点を置いて研究を行った。 ロフイン誘導体について、新たに1,3-および1,4-ビスイミダゾリルベンゼン誘導体を合成した。これらの分子はいずれも低分子ゲル化剤となり、ベンゼンなどの芳香族溶媒をゲル化した。また、1,4-体はフォトクロミズムおよびずれ応力によるメカノクロミズムを示した。クロミズムを示したロフイン誘導体では、ESR測定より、いずれも光照射によるラジカルの生成を確認し、これらの分子のクロミズムが、既知のロフインと同様、ラジカルの生成を伴うプロセスであることを明らかにした。 金属グリオキシム錯体については、合成・精製方法の再検討を行い、前年度得られたニッケル錯体に加え、白金錯体も得ることができた。得られた錯体は低い圧力からメカノクロミズムを示し、自己組織化部位導入の効果と考えている。また、静水圧下でのラマン測定より、加圧に伴いシフトするピークの存在を確認した。一方、メカノクロミズムに加え、溶媒によって溶液の色が変化するソルバトクロミズムを示すことも見出した。溶液の紫外可視吸収スペクトル測定では、極性の低いヘキサンやベンゼン中で金属原子間のd-p遷移による吸収が現れたことから、これらの錯体が溶媒中で分子集合体を形成していると考えられ、SEM観察から実際に網状の組織構造の形成を確認した。 以上のように自己組織性を有し、かつ応力に応答する分子の開発に成功した。本研究の成果は、応力を利用した自己組織化材料開発に新たな展開をもたらすことが期待できる。
|