研究課題/領域番号 |
17750155
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
多喜 正泰 京都大学, 地球環境学堂, 助手 (70378850)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 蛍光センサー / 亜鉛イオン / リン酸誘導体 / レシオメトリック / イメージング / 蛍光プローブ / リン酸イオン |
研究概要 |
亜鉛イオンに対し特異的な蛍光シフトを示すレシオ型蛍光プローブの設計・合成を行った。2-フェニルインドールを基本骨格として有し、これに金属イオン配位場を導入することにより蛍光プローブIndopyriZinを得た。IndopyriZinは生理的条件下において470nmに蛍光の極大値を示すが、亜鉛イオンの添加に伴い393nmへと約80mmもの大きな短波長シフトが確認された。亜鉛緩衝溶液を用いた滴定からIndopyriZinと亜鉛イオンの解離定数を17nMと決定することができ、亜鉛イオンに対し非常に高感度であることがわかった。亜鉛イオンに対するこのような蛍光の短波長シフトは、高濃度に存在するアルカリおよびアルカリ土類金属イオン存在下においても認められたことから、IndopyriZinは生理的条件下においてもその機能を発揮することがわかった。一方、他の金属イオン選択性についても検討したところ、銅二価およびニッケル二価では蛍光消光が認められ、カドミウムイオンでは亜鉛イオンと同様の蛍光挙動を示すことがわかった。IndopyriZinを用いて細胞イメージングを行った結果、IndopyriZinのアセトキシメチルエステルは細胞膜透過性があり、細胞が生きたままの状態で亜鉛イオンの観測を行うことができることがわかった。 続いて、アニオンセンサーの開発を行った。蛍光団としてアミノクマリンを有するDPAMQを合成し、その機能評価を行った。様々な金属イオンとの錯形成を行ったところ、DPAMQのカドミウム錯体がアニオンセンサーとして機能することがわかった。様々なアニオン種との反応について検討したところ、リン酸およびその誘導体に対して高い選択性があり、リン酸基のカドミウムイオンへの配位によって励起スペクトルの長波長シフトが誘起されることがわかった。このようなアニオンの配位によるスペクトルの変化は、カドミウム中心のルイス酸性度の低下に起因することが明らかとなった。
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