研究課題/領域番号 |
17750180
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 山形大学 (2006) 大阪大学 (2005) |
研究代表者 |
中山 健一 山形大学, 工学部, 助教授 (20324808)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 有機トランジスタ / メタルベース有機トランジスタ / 有機半導体 / 有機EL / フレキシブルディスプレー / アクティブマトリックス |
研究概要 |
本課題では、単純な半導体/金属/半導体の積層構造で低電圧・大電流動作が可能な縦型有機トランジスタとして、「メタルベース有機トランジスタ(Metal-Base Organic Transistor, MBOT)」を提案し、その研究を行っている。 本年度は、縦型トランジスタ最大の課題であるON/OFF比向上をめざし種々の検討を行った。その結果、コレクタ層とベース電極までを蒸着したところで大気下加熱処理を行うことにより、これまで100程度であったON/OFF比が劇的に改善されることを見出した。最適化により、コレクタ電圧7V、ベース電圧3Vにおいて、100mA/cm2以上の電流変調と、10の5乗以上のON/OFF比を得ることに成功した。 一方MBOTの応用展開として、MBOTとポリマーELを電極ごと積み重ねて直列接続した「スタック型構造デバイス」を新たに提案し、ELをMBOTで駆動した場合の変調特性を評価した。その結果、電源電圧8V、制御電圧わずか2.8Vで、100cd/m2以上のEL発光を変調することに成功した。これは、有機FETを用いる場合に比べてはるかに低電圧での変調を実現しており、さらにスタック型構造により駆動トランジスタ占有部分による発光ロス(開口率低下)を防ぐことができる。 また、本年度も引き続きMBOTの動作メカニズム解明に取り組み、ベース接地測定による電流解析を行った。これにより、エミッタ注入電子が高確率でベースを透過していることを直接的に観測することに成功し、従来提案してしてきた透過メタルベースメカニズムを支持する結果を得た。また、コレクタ電圧が逆電圧(阻止電圧方向)の領域から電流透過が起こる興味深い現象を見出し、さらなる動作メカニズム解明へのヒントを得た。
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