研究課題/領域番号 |
17760003
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
深田 直樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 半導体材料センター, 主任研究員 (90302207)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ナノ材料 / 量子細線 / 量子閉じ込め / 半導体物性 / ドーピング |
研究概要 |
半導体Siナノワイヤーは次世代半導体デバイス、例えば、サラウンディングゲートトランジスタ(Surrounding Gate Transistor : SGT)の構成要素として期待されており、その形成、配列、および特性制御技術の開発が重要課題となっている。そこで本年度は、半導体の特性発現において最も重要な不純物ドーピングに関連した研究を行った。 レーザーアブレーションによるSiナノ細線の生成中に、Si中でアクセプタおよびドナーとなるボロン(B)およびリン(P)のドーピングを行った。Bドーピングを行ったSiナノ細線においては、顕微ラマン散乱測定の結果、^<11>Bおよび^<10>Bの局在振動モードを約618cm^<-1>および640cm^<-1>の位置に観測することができた。さらに、そのSi光学フォノンピークに、高濃度Bドーピングによる価電子帯内での連続的なレベル間での遷移と、離散的なフォノンのレベルとのカップリングによって生じるファノブロードニングを観測することに成功した。また、Pドーピングを行った試料では、電子スピン共鳴(ESR)測定の結果、伝導電子のESRシグナルを観測することに成功した。以上の結果は、BおよびPがSiナノ細線中のSi置換位置にドープされ、活性化していることを分光学的に初めて証明した結果となった。Bのドーピング量については、局在振動ピークの強度及びファノブロードニングから、約10^<19>-10^<20>cm^<-3>台の高濃度ドーピング実現されていることが分かった。一方、Pドーピングの場合には、観測された伝導電子のESRシグナルの解析から、Bドーピングの場合と同様に約10^<19>-10^<20>cm^<-3>台の高濃度ドーピング実現されていることが分かった。また、バルクの試料と同様に、水素を用いてドーパントの電気的活性度を制御する実験を行った。その結果、Siナノ細線中にドープされたBおよびPの不活性化とそれを利用した活性なキャリア濃度の制御に成功した。また、水素を用いることにより、電気的特性等に悪影響を及ぼす表面・界面欠陥の不活性化を行うことにも成功した。
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