研究課題/領域番号 |
17760006
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 紳一 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (10376535)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | テラヘルツ光 / 分光装置 / 回折限界 / 時間領域差分法 |
研究概要 |
前年度は小型放物面鏡の作成や数値計算プログラム等、各種ツールの開発に力を注いだが、本年度は実際にそれらのコンポーネンツを組み合わせ、数値計算による構造最適化のもと、反射光学系による色収差の無い超小型THz分光装置の開発に成功した。特に測定試料の直近に集光レンズを配置することで空間分解能の高い分光系が実現できたところに特徴がある。 作成した分光装置のサイズは直径20mm、長さ61mmである。これは一般的なクライオスタットのサンプル槽径25mmに導入できる非常に小さな装置である。THz波発生にはZnTe非線形結晶あるいはGaAsボウタイアンテナ、検出には同ダイポールアンテナを使用し、0.3-2.0THz周波数範囲内で有効開口数N_<eff>=0.45の高い空間分解能で定量的なTHz分光測定が行えることを示した。また、窓のない測定環境にも対応できるように光ファイバーで導いたパルス状チタンサファイアレーザーによるTHz光発生・検出のデモンストレーションも行った。なお、光ファイバー通過中の励起光の分散を補正するため、ファイバー導入前にプリズムペアで適切に補償を行っている。 このように高い有効開口数、ひいては高い測定空間分解能を実現できたのは、装置を小型化するに伴い測定試料の直近に集光レンズを配置できたことによる。テストサンプルとしてシリコンに金を線上にパターニングした基板の透過率測定を行ったところ、テラヘルツ波の波長程度の構造まで透過率イメージング測定が行え、2倍の波長程度以上の構造では定量的な透過率を導き出すことも可能であることを示した。このように装置外部からTHz光を導く通常の分光系では測定装置系の制限から達成することが難しい高い空間分解能が達成できた。この装置はより小さいサンプルの定量的な分光測定を行うのに特に適していると考えられる。
|