研究課題/領域番号 |
17760017
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
大井 修一 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, 主任研究員 (10354292)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 銅酸化物高温超伝導体 / 人工孔欠陥 / 磁束線フロー / マッチング効果 |
研究概要 |
高品質高温超伝導体単結晶、主に劈開による薄膜作製が可能なBi2Sr2CaCu2O8+yへの位置制御された微細孔の導入、およびその磁束線物性評価を行った。ミリングによる試料表面の過熱防止、ダメージ低減のため、30Kまで冷却可能な試料ホルダーをミリングチャンバー内に組み込み、同時に磁場下での抵抗測定が可能となるように改造を行った。さらに、この試料ホルダーは可動式であり、ミリングと物理加熱蒸着をin-situで行うことが出来る。イオンミリングによる試料作製と磁場下での磁束線フロー抵抗測定を同一チャンバー内で大気解放することなくできるため、大気中の水蒸気などによる試料劣化などの影響を受けることなく、物性測定を行うことが可能となった。 試料の微細孔の導入に関して、Focused Ion Beamを用いて正三角格子・正方格子・ハニカム格子・ランダム配置といった対称性を持つ微細孔格子の導入に引き続き、空間的に非対称な形状を持つ孔(具体的には三角形)を正方格子状に配置した試料の作製を行った。正三角格子・正方格子・ハニカム格子など、面内対称性がある場合には、磁束液体相におけるマッチング効果の存在が、局所磁化測定・磁束線フロー抵抗測定から確認できた。一方、ランダム配置の場合には、磁束線フロー抵抗にマッチング効果は見られていない。空間的に非対称な孔形状の場合には、高温超伝導体で初めて磁束線フローでのラチェット効果を確認した。ラチェット効果の極性はマッチング磁場を境に急激に正負反転する。その物理的な起因はまだ不明であるが、従来超伝導体においては見られていないだけに興味深い。また、貫通孔だけでなく、表面に数10nmのメッシュ状構造を導入する事に成功し、僅かな表面構造にもかかわらず非常に顕著なマッチング効果が、磁束線フローに現れる事を見出した。
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