研究課題/領域番号 |
17760037
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
豊田 光紀 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40375168)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 軟X線 / 顕微鏡 / 反射結像系 / 多層膜 / 収差論 |
研究概要 |
昨年度に導出した解析的アプローチによる非球面対物鏡の設計法を拡張して、18年度は、偏心に鈍感な非球面アプラナートを設計および試作し、可視域において結像性能を検証した。軟X線用非球面アプラナートの設計では、結像倍率50倍、開口数0.25の条件で大域的に解の探索を行った。その結果、従来型Schwarzschild鏡と比較して、ミラーのアライメント誤差の許容値が大幅に緩和する5つの新奇なアプラナート解を見出した。これらの設計解は、軟X線領域における回折限界結像が可能であり、その空間分解能は、波長13mmで30nm以下であることを光線追跡法による数値解析により確認した。 5つの低敏感解から、非球面量や外径の点でミラーの精密研磨加工に適した設計解を選択し、その結像特性を可視光により実験的に評価した。この非球面対物鏡では、従来系と比較し、5倍以上のミスアライメントが許容できる。結像特性の検証のため、非球面対物鏡、透過照明系およびCMOSカメラで構成した、透過型顕微鏡を作製した。また、比較のため、Schwarzschild対物鏡も同時に試作し、非球面対物鏡と交i換できる構成とした。対物鏡の組み立ては、現有のフィゾー干渉計による波面収差計測を援用し行った。その結果、対物鏡で発生する波面収差は約6nmRMSを得た。これにより、試作した系では波長88nmの真空紫外領域まで、Mare chal条件を満足し回折限界結像が可能であるといえる。直径1μmのポリスチレン球を試料とし、波長440nmで透過像を観察しながら、対物鏡を構成するミラーのチルト量を変化させることでアライメント誤差感度を計測した。その結果、非球面対物鏡では、Schwarzschild鏡と比較して誤差感度が大幅に緩和されることを実験的に確認した。
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