研究課題/領域番号 |
17760082
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾方 成信 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20273584)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | カーボンナノチューブ / 塑性変形 / シミュレーター / モデリング / シミュレーション / 数値計算 / 弾性変形 / 熱伝導率 / 座屈 |
研究概要 |
カーボンナノチューブの塑性変形を制御するための基礎的知見である、ナノチューブ中で起こる塑性変形のプロセスの詳細と、塑性変形を実現するために必要な外的条件を、シミュレーションによるエネルギー論的な考察に基づいて得た。具体的な手法としては、ボンドオーダー原子間ポテンシャルに基づく最小反応エネルギー経路探索法(Nudged Elastic Band法)を用いた。その結果、単層カーボンナノチューブ中で起こる結合の回転が塑性変形の素過程であることを見出し、この結合の回転が継続的に起こることで結果として永久的に曲がったナノチューブができることを示した。また、この結合の回転が継続的に起こるためには、熱的に活性化するだけでは十分ではなく、熱とともにナノチューブに曲げを生じさせるような力学的外部負荷を加えることにより始めて実現できることを示した。熱と力学負荷はともに重要であり、力学負荷だけでも塑性変形は生じず、熱を加えずに負荷だけをかけると弾性的に座屈してしまい、塑性変形が起こらないことを示した。本理論を用いることでカーボンナノチューブの塑性変形を制御することが可能となった。そして、これら一連の解析を容易に実行できるように塑性変形シミュレーターを作成した。また、本理論を単層だけでなく2層以上の層を有する多層カーボンナノチューブにも適用し、多層カーボンナノチューブの塑性変形をコントロールする条件を明らかにした。さらには塑性変形したナノチューブの熱伝導率を求めた。
|