研究概要 |
人間が身の回りに所有する変形の大きい定まった形を持たない不定形物体は紙,布,ロープなど数限りない.その不定形物体をロボットで自由に操る要求は大きい.しかし,ロボットでこれらの不定形物体を自在に操るのは容易ではない.その理由として変形と応力の関係にヒステリシスが含まれ正確なモデル化が困難であることが挙げられる.ゆえに不定形物体の操作を誤る可能性は否定できない.それゆえ不定形物体の操作にはエラーリカバリ動作が必要となる.まず,複雑な形状に変形するロープをハンドリングするために,ロープの形状をトポロジカルなモデルを用いて記述する方法を提案し,ブラケット多項式およびジョーンズ多項式の2つの結び目不変量を組み合わせて利用することにより,ロープの構造を判別するアルゴリズムを提案した.また,トポロジカルなモデルを取得するために必要な,交点付近の輝度分布の不偏分散を用いて交点におけるロープの重なりの上下判別を行うアルゴリズムを提案し,その有効性を確認した.次に柔軟物体がマニピュレータによって与えられる外力や加速度によってどのような変形を起こすかという予測を実現するために挙動を再現するための線状柔軟物体のシミュレーションプログラムを作成した.これはワイヤーやロープのような線状の物体を小さい要素同士がバネで結合していると仮定し,それぞれの要素間で変形による反力と外力が釣り合う形状になることを計算したものである.重力や移動に伴う加速度によってどのように変形するかを再現できた.
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