研究概要 |
昨年度の研究では,プーリとスプリングから構成されるトルクセンサを開発し,開発したトルクセンサを用いたトルク制御系の構築を行った.このトルクセンサは,身体とのインターフェイスとして装具を用い,その片側にプーリを固定しプーリ.ワイヤそしてスプリングを介して空気圧ゴム人工筋と接続する.人工筋がトルクを発生するとスプリングが変位するため,人工筋と装具に角度差が生じる.あらかじめトルクと角度差を校正することで,リニアエンコーダを用いて検出した角度差から実際に加わるトルク演得られるという検出原理である.このトルクセンサは,簡便な機構で微小なトルクを検出できるという特長がある反面,装置の大型化,重量化という問題も生じた.そこで,今年度の研究ではひずみゲ憎ジを使用したトルクセンサを開発し,開発したトルクセンサを用いたトルク制御系を構築した. 開発したトルクセンサは,前腕装具両側にアルミプレートを介して空気圧ゴム人工筋を取り付けることで,人工筋の発生トルクにより生じるアルミプレートのひずみをプレートの前,背面に取り付けたひずみゲージにより検出しそのひずみからトルクを検出するものである.アルミプレートの厚みにより伺じトルクが加わった揚合でもひずみ量が変化することから,人工筋の発生トルクを考慮し-15[Nm]〜15[Nm]の範囲のトルクを検出出来るようアルミプレートの厚さを決定した.機構をさらに簡便化することでバネープーリ式トルクセンナと比較して同程度の分解能を有しているにもかかわらず,装置重量の大幅な軽量化が可能となった. また,装着者の意思により加えたトルクを正確に検出するため外乱オブザーバを使用した制御系を構築し,トルクセンサにより検出した人工筋発生トルクから装具の機械的抵抗を差し引くことで装着者の加えたトルクを推定することが可能となったことから今後のパワーアシスト制御への発展が期待できる.
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