研究課題
若手研究(B)
本研究は、低襲侵外科手術用多自由度ロボット鉗子を製作し、申請者が提案したロバストなバイラテラル制御則を適用して、従来のロボット鉗子に比べて洗浄性がよく、軽量で、かつ操作性も優れた腹腔鏡外科手術用多自由度ロボット鉗子装置を構成することが目的である。昨年度は、液圧駆動型多自由度ロボット鉗子を製作し、開発したロボット鉗子が外科手術用に実用化可能であるかどうかの検証を行った。その結果、製作した液圧駆動型多自由度ロボット鉗子では、十分な操作性が得られなかった。そこで、右ネジと左ネジとユニバーサルジョイントにより構成される2本の屈曲リンクの回転操作により屈曲動作を実現する全方位駆動型の多自由度ロボット鉗子を考案し、プロトタイプ1号機を試作した。また、この鉗子に500gの物体を把持させ持ち上げる屈曲実験を行い、外科手術用鉗子として十分実用化可能であることを検証した。さらに、既存のジョイスティックを改造したコントローラを製作し、提案した多自由度ロボット鉗子を遠隔操作することを可能にした。今年度は、まず発明した屈曲機構1と提案した多自由度ロボット鉗子に関して特許出願を行った。次に、製作した遠隔コントローラを用いてジョイスティックの動きにロボット鉗子の動きを追従させるサーボ実験を行い、得られた成果について国内の学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2006(ROBOMEC 2006)、および海外の学会IASTED International Conference on ROBOTICS AND APPLICATIONS(RA 2006)において発表を行った。しかしながら、プロトタイプ1号機において、ネジ部とユニバーサルジョイント屈曲部のクリアランスが累積してしまい、ガタが発生してしまった。そこで、屈曲部全長を短くすることで先端部のガタを減少させることを考え、プロトタイプ2号機の製作を行った。また、2号機においては組み立てを容易にするために部品数も削減した。さらに、臓器の裏側など、作業空間が限られた場所で湾曲針を把持し縫合作業を行うために、先端の回転動作が不可欠な機能となる。そこで、先端の回転を可能とする小型回転把持機構を考案し、これを2号機に搭載した。開発した小型回転把持機構に関しては、多自由度ロボット鉗子の付加機構として追加の特許出願も行った。プロトタイプ2号機に対しても、遠隔コントローラを用いたサーボ実験を行い、得られた成果について国内の日本ロボット学会第24回学術講演会、および海外のSICE-ICASE International Joint Conferenceにおいて発表を行った。さらに、歪ゲージを用いて力をセンシングし、作業者に力覚をフィードバックするバイラテラル制御実験を行い、良好な結果が得られた。これに関しては、さらに実験を重ねて精鋭化し、その成果を学会で発表する予定である。
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計測自動制御学会論文集
10018866326
Proc. of the 4th International Symposium on Mechatronics and its Applications
Proc. of IEEE International Conference on Robotics and Automation
Proc. of the 9th International Workshop on Advanced Motion Control
日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会'06
Proc. of IEEE International Conference on Robotics, Automation and Mechatronics
Proc. of the 12th IASTED International Conference on Robotics and Applications
日本ロボット学会 第24回学術講演会
Proc. of SICE-ICASE International Joint Conference
Proc.of the Fifth IASTED International Conference on Modelling, Simulation, and Optimization
計測自動制御学会 第48回 自動制御連合講演会
130004599706
Proc.of 2005 CACS Automatic Control Conference
日本機会学会論文集C編 71・711
ページ: 3138-3145
110006264913
Proc.of IEEE/ASME International Conference on Advanced Intelligent Mechatronics
Proc.of IEEE International Conference on Systems, Man and Cybernetics