研究概要 |
本研究では,電気光学的手法による帯電測定と二次電子放出係数測定を組み合わせて,絶縁体上の帯電電荷量と絶縁体からの二次電子電流を,その場で観測できるシステムを構築することを目的とする。この研究により測定が困難であった絶縁体上の帯電を,電気光学効果を利用することにより2次元的に測定でき,同一環境下に設置した二次電子電流測定系により,試料の移動を伴わないで,その場で測定できる点である。 平成17年度は、ポッケルス素子による真空中における絶縁物上の帯電電位分布測定の高速度化および高精度化を行った。平成18年度は、それに引き続き試料台の改良を行うことで、絶縁体試料とポッケルス素子との密着性を上げることにより、絶縁体上の電位測定の高分解能化を行った。このような改良と昨年度に行った帯電計測の高速度化・高精度化により、より詳細な絶縁体上の帯電電位分布の測定が可能となった。 真空中(In-situ)における電子ビームによる絶縁体上の帯電計測としては、供試試料にMulti-pulse電子ビームを照射し、試料からの二次電子電流を測定し、その電流の減衰特性から絶縁体の帯電度や帯電減衰度を測定した。この方法により、アルミナセラミックス等の各種絶縁体の真空中における帯電特性の評価を行った。
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