研究課題/領域番号 |
17760246
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
櫻井 岳暁 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (00344870)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 太陽電池 / 有機半導体 / 配向制御 / X線回折 / フタロシアニン / ペンタセン / 有機薄膜太陽電池 |
研究概要 |
本研究は、有機薄膜太陽電池における構成分子の配向制御法を確立し高効率化することを目指している。これは、有機分子のもつ異方的な電子物性を、配向のコントロールにより制御することを目的としている。我々は前年度までに、ターゲットとなるH_2Pc分子の分子配向が、ごく薄いPTCDA配向層の挿入により変化することを見出している。また、複雑なH_2Pc:PTCDA共蒸着薄膜ならびに多層太陽電池構造(H_2Pc-H_2Pc:PTCDA/PTCDA,すなわちp-i-n構造)に関しても、この原理を応用すると分子配向を制御可能であることを見出した。そこで、本年度は分子配向を制御した太陽電池の作製を試み、その特性評価を行った。 まず、我々は基準となる太陽電池構造(ITO/PEDOT:PSS/H_2Pc/H_2Pc:C_<60>(共蒸着)/C_<60>/BCP/Ag)を作製し、世界でも数例(低分子系)しか報告のないエネルギー変換効率3.4%(AM1.5照射時)を達成した。続いて、上記の太陽電池構造のPEDOT : PSS/H_2Pc界面にPTCDA層を挿入し、H_2Pcの配向を制御した太陽電池(ITO/PEDOT : PSS/PTCDA/H_2Pc/H_2Pc:C_<60>/C_<60>/BCP/Ag)を作製したところ、エネルギー変換効率(特に開放起電圧)の低下が激しく起こった。これは、PTCDAが電子輸送性材料であるため、PEDOT : PSS/H_2Pc界面にキャリア(正孔)輸送障壁が形成されたものと考えられる。そこで、正孔輸送性の配向制御層の探索を行った結果、ペンタセン層が有効であることを見出した。現在、これを用いた太陽電池(ITO/pentacene/H_2Pc/H_2Pc:C_<60>/C_<60>/BCP/Ag)はエネルギー変換効率1%程度しか示していないが、PTCDAを用いたデバイスで観測された開放起電圧の低下を抑えられるようになった。
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