研究課題/領域番号 |
17760258
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
河原塚 篤 早稲田大学, 付置研究所, 准教授 (40329082)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 希薄磁性半導体 / GaMnAs / スピントロニクス / MBE / MEE / 空間分離ドーピング / キュリー温度 |
研究概要 |
近年、半導体と磁性体を合わせ持つ希薄磁性半導体GaMnAsの研究が注目を集めている。しかしながら、この材料のキュリー温度は非常に低く、室温デバイス応用には、キュリー温度の上昇が不可欠である。 本研究では、正孔濃度を増加させるために、P型不純物としてMgを用い、δドーピングの手法を用いて、Mnの空間分離ドーピングを行った。空間分離ドーピングにより、MnとMgの複合体に起因する欠陥の形成を抑制し、かつ正孔濃度の増加によりキュリー温度の上昇、磁化率の向上が期待される。 はじめに、空間分離ドーピングGaMnAsのGaAsスペーサー層の厚さによる影響を調べるため、GaMnAsを一原子面にドーピングしスペーサー層の厚さを変化させたサンプルを製作した。1層あたりのMn濃度を6%とし、Mn層の数はすべて同じ100層とした。帯磁率測定により評価を行ったところ、スペーサー層の厚さを増加させるとあ5MLまで飽和磁化が増加し、それ以上では一定となった。このことは、スペーサー層の導入により、反響磁性結合を持つ格子間Mn減少し、5ML以上ではほぼ完全に消失したためであると考えられる。しかしながら一方で、スペーサー層を厚くするとキュリー温度は単調に減少する。これは、スペーサー層を厚くすることによってMn原子同志の強磁性結合が弱くなるためではないかと考えられる。 そこでP型不純物であるMgをドープして、正孔濃度を増加させ、キュリー温度の向上させることを試みた。GaMnAs層の層間隔を5MLとし、その中心にMgをドープした。この結果正孔濃度は1.24×1015cm-2から2.47×1015cm-2へと増加した。この増加はMgドーピング量と同程度である。さらに磁化特性を評価したところ、正孔濃度の増加の寄与により、飽和磁化、キュリー温度が増加した。
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