研究課題/領域番号 |
17760275
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
丸山 武男 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 助手 (60345379)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 半導体レーザ / 薄膜レーザ / 低次元量子井戸レーザ / 分布帰還レーザ / GaInAsP混晶 / 電子線リソグラフィ / 有機金属気相成長法 / ドライエッチング |
研究概要 |
量子細線・量子箱構造を活性層に導入する低次元量子井戸レーザは、高効率、狭線幅、低しきい値電流などの高性能化の点で非常に有望である。本研究ではこれらの低次元量子構造の特徴を際立たせるために、従来の半導体二重ヘテロ構造に比べ光閉じ込め係数が3倍程度大きい半導体/ポリマー複合導波路構造を用いた低次元量子構造半導体レーザを実現し、現状の歪量子井戸構造半導体レーザを凌駕する極限的低電力・高効率動作の可能性を実証すると共に、低次元量子構造の光学特性を明らかにすることを目的とする。本年度得られた結果は、 (1)Si/SiO_2導波路は高屈折率差(Δ=40%以上)を有するため、超小型光集積回路実現に適しており、またSiは通信波長帯域において透明であるため、Si基板上へのIII-V族発光素子実現は重要である。SOI基板に圧縮歪1%単層量子井戸GaInAsP/InP薄膜の直接貼り付けを行った。水素雰囲気中で300〜450℃の温度範囲において圧着することにより、貼付前後でPL強度およびスペクトルに変化のない低損傷界面が得られることを明らかにした。 (2)上記方法を用いてSOI基板上にGaInAsP/InP半導体薄膜DFB構造を直接貼り付け、BH-DFB半導体薄膜レーザを作製した。この素子を光励起することにより室温連続発振を実現した。共振器長は120μm、ストライプ幅は2μmの素子において、しきい値励起光強度2.8mW、しきい値の2倍の励起強度において副モード抑圧比28dBが得られた。 (3)通常半導体材料は温度が上がると屈折率が高くなるが、誘電体材料のBCBは温度が上がると屈折率が下がる性質を有している。半導体DFBレーザにこのBCBを誘電体クラッドに用いることで、温度による屈折率変化を全体としてキャンセルすることができる可能性を有している。今回、2種類の膜厚(65nm,150nm)の半導体薄膜レーザを作製し、発振波長の温度依存性を調べた。コア厚150nmの素子においてはdλ/dT=5.3×10^<-2>nm/Kとなったのに対し、コア厚65nmの素子においてはdλ/dT=2.5×10^<-2>nm/Kとなり、通常の半導体薄膜レーザと比較して1/4程度に低減することができた。
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