研究概要 |
生産,物流あるいは旅客サービス・システムなどの計画・運用における問題として搬送計画問題を取り上げ,この問題に対して包括的なモデルの構築,および現実的な要件を考慮した解法構成を行いました.具体的には,搬送計画問題に対してVehicle Routing Problem(VRP)およびPickup and Delivery Problem(PDP)の枠組みで数理モデルを構築した上で,これらの問題の基本的な性質をふまえて,問題の分解構造に着目した新たな分散型メタヒューリスティック解法を構築しました.その際には,擬似焼き鈍し法や遺伝アルゴリズムといったメタヒューリスティクスの適用を陽にふまえた解法の構築を行いました.この解法により,100個以上の搬送物を有した,より大規模な問題に対して効果的に良質な解を獲得できることを確認しました. さらには,AGVを用いた搬送計画システムを取り上げ,AGVの走行経路を自律分散的に獲得するための方法として,AGV同士の衝突時における交渉に着目し,交渉ルールを自動的に獲得するためにGenetic-Based Machine Learningを適用しました.この方法により,リアルタイムに計画作成が可能となり,計算機実験により,10台以上のAGVが同時に稼働する搬送システムにおいても,個々のAGVの搬送時間をあまり悪化させないような走行経路を獲得できることを確認しました. これらの成果については,すでに国内(4件),国外(3件)の学会報告を行いました.さらには,国内の論文誌に1件を投稿・掲載,1件を投稿しました.
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