研究概要 |
(1)動的ひび割れ幅変動の計測とデータベース化 道路橋や港湾桟橋のRC床版に活荷重が作用した際に生じる動的なひび割れ幅変動および重力式RC擁壁の気温等による擬似静的ひび割れ幅変動を計測し,そのデータベース化をはかった.前者については,トラックを所定の速度で走行させる実大載荷試験を実施し,構造物に生じる動的なひび割れ幅変動のおよそのレベルを把握した.その結果,構造物によっても若干異なるが,RC床版の場合,0.01〜0.015mm程度の変動幅となっていることが明らかとなった. 後者については,コンクリート構造物表面部のひび割れが,気温の変化(季節変動や日変動)によって開閉口していることが判明した.ひび割れの位置にもよるが,30℃程度の温度変化に対して,約0.07mm程度のひび割れ幅変動となることが明らかとなった.また,高靭性セメント複合材料のような補修材料で補修した部分については,ひび割れ幅変動が低減されていることも明らかとなった. 以上より,表面被覆材のひび割れ追従性を評価するにあたり,その外力として考慮すべき値のデータベース化が重要であることを明らかにした. (2)動的ひび割れ追従性試験の提案 振幅の大きさ,周波数等を変化させた表面被覆材の動的ひび割れ追従性試験を実施した.基本性能の異なる6種類の表面被覆材を対象としたところ,材料の種類の違いによって,動的ひび割れ追従性が異なるという基礎データが得られている.なお,試験は引続き実施しており,次年度にかけてデータを蓄積中である.
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