| 研究概要 |
1.局所腐食を受けた鋼部材に関する強度評価法の提案
平成17年度に本課題で実施した腐食プレートガーダーフランジの腐食表面形状測定より得た結果から,枕木敷設による局所的腐食損傷箇所の統計的特徴を考察し,この特徴を考慮した局所腐食表面形状作成モデルを考案した.本モデルを用いて腐食した圧縮フランジの強度解析を実施し,鋼表面の凹凸形状を様々に変化させた解析結果から,腐食部の平均板厚と初期たわみを有する無垢板の座屈強度曲線を用いた局所腐食フランジの簡易な圧縮強度評価法を提案した.
2.経年変化を考慮した腐食表面形状作成モデルの改善
実際の鋼材の腐食促進試験を長期に亘って実施し,定期的に供試体の板厚情報を取得することで,腐食の進展にともなって変化する鋼材の実板厚データを得た.この実験結果と従来の腐食表面形状作成モデル(空間的自己相関モデル)によって作成した腐食表面形状の統計的特徴を比較し,腐食表面形状作成に用いる2つのパラメータを定量的に定める方法を考案した.より信頼性の高いモデルに改善するとともに,本モデルによる腐食表面を用いた強度解析を実施し,腐食の経年変化にともなう鋼材の強度低下について,今後さらに検討する必要がある.
3.引張フランジの降伏が支配的な腐食プレートガーダーの曲げ強度評価
平成18年度に本課題で実施した,腐食した引張フランジの強度解析を継続して実施し,強度評価のための解析データを倍に増やした.また,桁レベルの強度評価法のために,空間的自己相関および実測板厚データを用いた鋼桁の3次元解析モデルを現在構築している.
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