研究課題/領域番号 |
17760485
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
遠藤 新 金沢工業大学, 環境・建築学部, 講師 (40292891)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 地役権保全プログラム / 歴史的建造物 / ファサード利用権 / 民間非営利組織 / 税控除 / シンジケート組織 |
研究概要 |
最終年度にあたる今回の調査では、地役権保全プログラムが多用されている米国内の複数の主要都市を対象とする現地調査を実施し、関係者の聞き取り調査や一次資料の収集、関連する文献等の購入を行うことを目的とした。 まず、3/23の東京宿泊は、東京大学総合図書館で日本国内での既往研究に関連する資料収集を行った。次に、南部都市でダウンタウン(中心業務地区)の大部分が歴史地区に指定されているメンフィス市の現地調査を行った。同市では、最も古い歴史地区(Beale Street Historic District)は1967年に指定が行われるなど、歴史的環境保全に対する取り組みは積極的である。制度が全米ナショナルトラストの普及活動を通じて全米に知られるようになったのは1980年代である。しかしながらメンフィスにおけるダウンタウン最初の歴史的環境保全調査および計画(1983年)を見ても、地役権保全プログラム制度(HCEP)を用いてファサード等を保全しているとの記述が見られなかった。最初の歴史地区であるBeale Street Historic Districtでは歴史地区内の建物は商業・観光の用途に主に利用しており、ファサードは商業的な看板が多く掲げられている。このようなケースではHCEPの利用には向かない。メンフィスでは保存よりも活用(adaptive reuse)に重点が置かれる中で歴史的環境保全の取り組みが進んだためにHCEPが普及しなかったと考えられる。最後に、HCEPの活用事例が多数報告されているサンアントニオ市の現地調査を行った。同市ではサンアントニオ歴史保全協会(SACS)を訪れ、ファサード利用権に関する協定書、毎年度の追跡調査時に作成した文書資料を入手した。ウェブサイトで行った事前調査では5件だけだったが、実際には22件のファサード利用権設定が行われていたことが判明し、同制度がサンアントニオでは一定程度普及していたことが明らかになった。事前調査の対象となった5件については現在の建物の保存状況を現地確認して写真に収め、残りの17件についてはSACSが所有する建物記録写真の複製を入手した。
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