研究課題/領域番号 |
17760490
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
三浦 研 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (70311743)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 逆デイサービス / 外出 / ケア / 姿勢 / 高齢者施設 / 高齢者ケア / サテライト |
研究概要 |
広島県の老人保健施設A苑における施設外民家をサテライトデイルームとして活用し、徒歩で高齢者が移動する取組みを3ヶ月、行為内容、会話、運動強度について追跡調査した結果、 (1)自力歩行が出現または増加するようになり、サテライトデイルームへの歩行により体力がついたこと、また、壁や手すりにつかまり、立ち上り、自力歩行する様子から、施設に比べて民家の小さな空間は、体を支えやすいこと (2)行為については、無為が大幅に減少し、飲食調理関連行為と会話が増加した。前報の姿勢から得られたデータと合わせて考察すると、施設では臥位か座位で無為に過していたが、サテライトデイルームでの歩行や調理の取組みにより、施設内では見られなかった、より生活に密着した行為に変化すること (3)施設内で運動強度が増加したのは、トイレやトレーニングを契機とした移動時であり、会話の発生も散発的で、単調な生活であったが、サテライトデイルームでは調理により、体の動きは少ないが会話が増加する時間が生じ、生活に減り張りができたこと (4)空間が広い母体施設での入居者と職員の会話は短く、しかも職員が立位で関わる傾向があるのに対して、民家を活用した小さな空間では、会話の絶対数が増加することに加えて、職員と入居者が、互いに座位の姿勢で安定した居合わせ方をしながら発生し、会話の長さも長くなること 以上から、歩行や調理への取組みを行うことで、体力がつき、居室(臥位)やリビング(座位)で無為の時間を過すことが減り、生活のリズムを作ることが出来ること、また、職員と入居者が共に昼食を作るという行為を民家空間で行うことで、安定した居合わせ方をすることが出来、会話が増加し、施設では見られなかった団らんの時間を持つことができるようになるなど、民家を改修した小規模なサテライトデイルームには自宅に近い過ごし方やコミュニケーションを可能にすることを明らかにした。
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