研究課題/領域番号 |
17760535
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宗藤 伸治 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (20380587)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 熱電発電 / クラスレート / 熱電モジュール / プロチウム / 酸化物 / 薄膜 / 廃熱利用 / 金属物性 / 半導体物性 / 省エネルギー / 結晶成長 / シリコン |
研究概要 |
前年度までに、Ba-Al-Siクラスレートの合成元素・組成の探索および熱処理条件の最適化を行い、すでに本研究の目標(性能指数Z=0.001K-1以上)を達成した良好な熱電性能を示した材料が作製できている。そこで本年度はその材料を素子として用いた高出力熱電発電モジュールを作製した。72個の素子をアルミナのメッシュ内に挿入し、電極で素子を電気的に直列に接合した。高温側の基板をヒーターで加熱し、低温側の基板は送風により冷却を行うことにより発電実験を行った。高温側の基板の温度が上昇するにつれて開放電圧は上昇していき、高温側基板温度が500℃の場合に約1.65Vの開放電圧が得られた。その時の低温側の基板温度は約110℃であり、送風程度の冷却で発電に必要な温度差が得られることが分かった。また、電流電圧特性を評価したところ、高温側基板温度500℃で短絡電流0.2Aとなり、約0.08Wの最大出力が得られた。さらに、サイクル特性を評価するため、高温側の基板温度を500℃まで加熱し、その後、室温まで冷却することを10回行ったが、開放電圧および短絡電流において1%以内の誤差で再現性があることが確認できた。このモジュールが実用に耐え得るかどうかを検証するため、携帯電話のリチウムイオン電池の充電試験を行った。上述の発電性能試験同様、高温側の基板をヒーターで加熱し、低温側は送風により冷却し発電を行った。得られる電圧は1.65Vであるため、リチウムイオン電池の充電に必要な5Vまで昇圧回路により昇圧を行い、携帯電話の端子に配線したが、この昇圧回路は熱電発電モジュールのみで駆動する。高温側の基板温度が約300℃に達すると携帯電話に装備されているLEDが点灯し、充電が開始されたことを示した。満充電には数時間を要したが本研究により作製された熱電発電モジュールは実用に適用できることが示された。
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