研究課題/領域番号 |
17760580
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 将克 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 助手 (00263327)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 単結晶炭化珪素 / オーム性電極 / 界面反応組織 / 反応制御 / 化学ポテンシャル図 / 破面解析 |
研究概要 |
炭化珪素(SiC)とTi-Al合金膜は、二段階の反応挙動・界面組織形態を経てSiC/Ti_3SiC_2となることを昨年度実施した研究により解明した。本年度は、昨年度に引き続き高Al濃度側に組成を変化させたTi-Al合金を用いて界面反応挙動を調査した。また、上述の各段階での界面組織を有するSiC/Ti-Al接合体について接合強度を評価し、破壊経路を同定した。 Alが75〜90at%となる組成比でSiC上に堆積させたTi/Al多層膜を用いた場合、まずTi/Al層間反応によりTiAl_3を生じた後、TiAl_3とSiCが反応し、直接Ti_3SiC_2を生じる。この界面反応における各構成元素の挙動を、化学ポテンシャル勾配に基づいて解明した。 複数の混相化合物層が形成された界面を有する接合体は、特異な強度特性を示す。接合温度や接合時間を変化させ、各層の厚さを変化させても、接合強度と界面組織の明確な相関関係は見られず、誤差も大きい。調査の結果、接合強度は接合後の経過時間に強く依存して変化することが判明した。破壊経路は、接合強度が高い場合も低い場合も同じSiC/TiC界面である。一方、SiCに接して層状にTi_3SiC_2が形成された界面を有する接合体は、そのような接合後の経過時間に対する接合強度の依存性は見られない。 SiCに接してTi_3SiC_2のみが層状に形成された界面を創出するには、TiAl_3を介したSiCとの界面反応が有効である。そのためにはTi/Al層間反応によりTiAl_3を層状に形成するよう1000K程度の温度で一度昇温を停止し、一定時間その温度で保持した後にSiC/TiAl_3間界面反応を誘起できる1273Kまで昇温するステップ昇温熱処理法が好ましい。この方法による熱処理を行った結果、SiCに接してTi_3SiC_2のみが層状に形成された界面を創出することに成功した。
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