研究概要 |
1.CO_2中で優れた界面活性を持つがある一定量以上の水が共存すると液晶を形成し沈殿してしまうフッ素系二鎖型界面漕性剤8FS(EO)_2に,いくつかの助界面活性剤を混合することで,液晶形態をとりにくくさせかつ、水/超臨界CO_2マイクロエマルション(W/CO_2μE)形態を安定化させることを試みた。試験した4種の炭化水素系助界面活性剤は,8FS(EO)_2に混ぜられることにより,それらの単独系よりも高い気/水表面張力低下能力や,水/CO_2界面張力低下能力を引き出したが,そのような正の相乗効果は,W/CO_2μEの形成においてほとんど発現されず,液晶の形成を許していた。一方,フッ化炭素鎖と炭化水素鎖を有するハイブリッド助界面活性剤を8FS(EO)_2に混ぜた場合,W/CO_2μEの形成能力は低下してしまうものの,液晶相は出現しなかった。液晶相の代わりに現れた分離相(析出した水相と超臨界CO_2相)の透明な超臨界CO_2相(上層)には,溶解度以上の多量の水が存在することが確認された。すなわち,この相は,WinsorII型W/CO_2μE相であり,8FS(EO)_2/ハイブリッド界面活性剤の混合系で高いW/CO_2μE形成能力を発現させることに成功した。 2.8FS(EO)_2に代わる新たなW/CO_2μE用主界面活性剤の開発に成功した。新しく開発された主界面活性剤は,WinsorII型W/CO_2μEの構築を達成するだけではなく,これまで報告される中でもっとも高い水分散量(対界面活性剤1mol)をもつWinsorIV型W/CO_2μEの構築をも達成した。このようなWinsorII型およびWinsorIV型のW/CO_2μEの構築は,超臨界CO_2ドライクリーニング技術の確立に大きな道筋を与える。
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