研究概要 |
パルスデトネーションロケット(PDR)は,ノズルスロート部が存在しない単純構造であり,かつ燃料・酸化剤ポンプ2次側圧力を1/5から1/10に低減でき,ポンプの負荷を著しく減少可能であり,既存ロケットの不具合要因を回避出来る.また,間欠作動であるため,作動周波数を変更するのみで広い推力レンジで一定の効率を達成可能である.そのようなパルスデトネーションロケットの部分充填効果に関して,研究を行った. 平成20年度の研究では,真空下においても,部分充填効果が存在することを,実験的に定量的な検証を行った.また,数値解析を行い,比熱比一定の熱量的完全気体モデルによって,結果を解析した.また,極めて充填率の低い場合の部分充填効果を定量的に予測した.本科研費の研究によって,PDEの部分充填効果の本質的な物理が実験的に解明され,研究成果は,論文としてAIAA Journal等に受理された.また,間欠流を生成する回転バルブ式の衝撃波管を開発レ,連続的な間欠流の生成装置が完成し,連続的な衝撃波の発生に成功した.さらに,自律作動バルブを開発し,推進剤の有するエンタルピーによって,高速大流量作動が可能なバルブを開発し,PDEの作動に成功した.これら解明した物理現象及び新技術によって,PDEの飛行試験に向けた要素研究を完了した.
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