研究課題/領域番号 |
17760674
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
林 孝夫 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (70354652)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 重水素 / 核反応分析法 / NRA / JT-60U / プラズマ対向壁 / 黒鉛タイル / プラズマ壁相互作用 / 共堆積 / ダイバータ |
研究概要 |
重水素(D)とトリチウム(T)を用いたDT核融合炉においてプラズマ対向壁候補である炭素材を使用した場合、炭素壁中にトリチウムが残留する。この残留トリチウム量を正確に評価し、その蓄積過程を解明することは燃料リサイクリング及び炉内保守の観点から重要な課題の1つである。DおよびTは共に水素同位体であることから、Dをプラズマ燃料としたJT-60UにおけるD量の評価は、将来のDT炉におけるトリチウム保持量評価に有用である。 本研究ではJT-60Uプラズマ対向壁から切り出した試料に0.8〜3.5MeVに加速した3Heイオンビームを照射しD(3He,p)4He反応により放出される陽子数を測定することによりD量を評価した。 最もDが多かったのは外側ドームウィングの排気スロット近傍で、深さ16μmまでの面密度は〜3.2×10^<22>D/m^2であった。ここでは数ミクロンの再堆積層がタイル表面に観察されており、共堆積により多量のDが蓄積したと考えられる。深さ分布については数ミクロンの深さにD/C〜0.07の緩やかなピークがあった。これは大気解放前にプラズマ対向壁からトリチウムを除去するための軽水素放電により表面近傍のDが軽水素(H)に置換したためである。 60μmの炭素再堆積層が観測されている内側ダイバータでは、表面部分のDは外ドームウィングより少なかったものの、深い領域のDは全試料中で最も多かった。これは軽水素放電により再堆積層の浅い部分のDはHに置換するが、深い部分のDは置換されず、多量のDが深い部分に蓄積することを示している。 またプラズマ運転時のタイル温度が高く、損耗が支配的な外側ダイバータでは、表面部分でも重水素濃度が低かったが(D/C<0.003)、深い領域まで重水素濃度が同程度で維持されていた。 これらの結果を纏めた論文がJournal of nuclear materialsに掲載された。
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