• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

原子炉ステンレス鋼の応力腐食割れにおける照射欠陥・超微小析出物偏析の効果

研究課題

研究課題/領域番号 17760676
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 原子力学
研究機関東北大学

研究代表者

畠山 賢彦  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30375109)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード応力腐食割れ / ステンレス鋼 / 原子炉 / 照射 / 原子炉シュラウド / 照射誘起偏析
研究概要

原子炉シュラウドのモデル合金としてSUS316Lを1050℃1時間焼鈍後、水焼き入れした試料について粒界を含む領域の局所電極型3次元アトムプローブ測定を行い、以下の知見を得た。
測定した試料は観察方向に垂直に粒界を含み、粒界より約30nmの視野にわたって溶質元素濃度を解析した。粒界に沿って合金元素や不純物の濃度変化が観察された。粒界近傍ではCr,Mo,Bの濃度が高く、Ni濃度が低い。Cr,Niは結晶粒によって濃度差がみられる。Moは母相中での平均濃度が3.5at.%程度であるが、粒界では7at.%と二倍の濃度であった。Ni,Crといった合金元素は母相中での濃度ゆらぎが5at.%程みられ、粒界近傍ではNiについて2at.%の濃度低下、Crについては4at.%の濃度上昇がみられた。これらの元素の濃度変化は粒界近傍の幅約3nmと狭い領域であることが分かった。粒界のごく近傍ではFeに対してオーバーサイズのMo,Crが焼鈍時に拡散して濃化し、一方アンダーサイズのNiが粒内に向かって拡散したと思われる。
MnはFeとほぼ同じ原子半径であるが粒界での濃度低下が見られた。濃度変化は10nm程の領域で緩やかにみられ、マトリックス中では2at.%の濃度が粒界で0.5at.%程度まで低下していた。不純物原子については、C、Sについては有意な濃度変化がなかったが、Bの濃度が高くなっていた。母相におけるBの濃度はバックグラウンド程度しか検出されず、非常に低輝度で含まれているものが殆ど粒界に存在しているものと思われる。Mn、Bの粒界における濃度変化の報告例は非常に少なく、微量添加元素の偏析について新たな知見が得られた。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

URL: 

公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi