研究課題/領域番号 |
17760681
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日野 正裕 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70314292)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 多層膜中性子ミラー / イオンビームスパッタ / 中性子偏極デバイス / 中性子光学 / 多層膜 / 中性子反射鏡 / 偏極中性子 |
研究概要 |
中性子制御の手法として、多層膜中性子ミラーは重要な位置を占めている。多層膜中性子ミラーは、中性子に対して有効ポテンシャルが大きく異なる2種類の物質を積層し周期ポテンシャルを作る。 スーパーミラーはその周期ポテンシャルの周期dを少しずつ変えることで広い角度範囲で全反射できるようにしたもので、この性能は一般的に「実効臨界角」と「立ち上がりの反射率」で評価される。ここで「実効臨界角」とは反射角の一番大きな部分で、ニッケルの全反射臨界角のm倍という意味である。「立ち上がり反射率」とは、その最大臨界角での反射率である。つまり、mが大きく、立ち上がりの反射率が1に近いほど性能の良いスーパーミラーとなる。我々はイオンビームスパッタ(IBS)装置を立ち上げ、それを用いて、世界最高性能のm=6 NiC/Ti多層膜中性子スーパーミラーの開発に成功した。そしてスパッタ条件を詰めていくことで平成18年度には、ベンダー作成に必要な高性能多層膜中性子スーパーミラーが歩留まり良く作成出来るようになった。また中性子の磁気散乱ポテンシャルを制御する磁気多層膜を作成することにより、中性子のスピン状態を選別する偏極デバイスとして使用できる。しかしIBSで作成した磁気多層膜は磁性的に非常にハードなものしか作れなかった。磁気多層膜を中性子偏極デバイスとして使用するためには、磁性膜が飽和している必要があり、外部磁場が必要となる。この外部磁場を小さくするには磁性的にソフトであることが重要で、スパッタターゲット等の改良を行った。そして、最近純鉄(純度99.99%)を用いてその界面に0.5nmだけシリコンをスパッタすることで磁化特性が良くなることを発見した。そしてm=4.9で外部磁場45mTで立ち上がりの反射率0.7、偏極率0.94以上という群を抜いた世界最高性能のFe/Ge(Si)磁気多層膜ミラーの開発に成功した。
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