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日本列島-琉球列島間における汽水域生物群集の地理的分断と汽水魚の生態的分化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17770013
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生態・環境
研究機関岐阜大学

研究代表者

向井 貴彦  岐阜大学, 地域科学部, 助教授 (80377697)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード日本列島 / 琉球列島 / ミトコンドリアDNA全塩基配列 / 分岐年代 / 分布拡大 / 遺伝的分化 / 生態的分化 / ハゼ亜目魚類
研究概要

日本列島から琉球列島における汽水性魚類の遺伝的分化と集団構造の解明のために,チチブ属・アベハゼ属・ヨシノボリ属・ゴマハゼ属から選定した12種のmtDNA全塩基配列決定を試みた.mtDNA全体を増幅するロングPCRは全種で成功したものの,ハゼ亜目魚類はmtDNAの塩基配列の分化が著しく,塩基配列全体を決定できたのは1種,残りは部分的に未決定の領域を残したものの,複数の遺伝子領域における遺伝的分化から分岐年代を推定するためのデータを得ることができた.これらの魚種については,日本列島から琉球列島の間で明確に分化していることが知られているが,分岐年代は約400万年まで遡るものと200万年程度のものに分けられた.
汽水魚の島嶼間の移住能力に関しては,ナガノゴリ・アベハゼ・トビハゼ・マサゴハゼ・タネハゼの5種について解析した.ナガノゴリとアベハゼは遺伝的に分化した日本列島集団と琉球列島集団が南九州の種子島などで雑種化していることが明らかになり,より詳細な歴史解明と生殖隔離の形成についての解明が今後の課題となった.トビハゼ・マサゴハゼは分布域内での遺伝的分化が小さいものの,島嶼間の移住が制限されていることが明らかになった。タネハゼは沖縄島から本州の間では遺伝的分化が見られないものの,八重山諸島と沖縄諸島の間で遺伝的に分化していることが明らかになり,琉球列島内での地史に対応したさまざまな汽水魚の地理的分化が生じていることが明らかになった.また,地域間での遺伝的分化の大小に関わらず,汽水魚は島嶼間での移住が少ないことが示された.
野外調査については,日本列島と琉球列島の間で遺伝的に大きく分化したゴマハゼ類,中程度に分化したアベハゼ,遺伝的分化が少ないマサゴハゼについて,周年採集による生殖周期の調査や,微小生息場所の季節変化を調査し,両地域での生態的分化についての示唆を得た.

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 日本産淡水魚の分布域形成史 : 系統地理的アプローチとその展望2006

    • 著者名/発表者名
      渡辺勝敏, 向井貴彦ほか(著者12名中, 向井は10番目)
    • 雑誌名

      魚類学雑誌 53

      ページ: 1-38

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 日本産トビハゼのミトコンドリアDNA多型に基づく遺伝的集団構造の解析2006

    • 著者名/発表者名
      向井貴彦, 杉本真奈美
    • 雑誌名

      魚類学雑誌 53

      ページ: 151-158

    • NAID

      10019278240

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 日本-琉球列島のタネハゼにおけるミトコンドリアDNAの種内系統2006

    • 著者名/発表者名
      向井貴彦
    • 雑誌名

      日本生物地理学会会報 61

      ページ: 45-49

    • NAID

      10018719394

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 沖縄島で採集されたマングローブゴマハゼ(新称)2005

    • 著者名/発表者名
      向井貴彦, 鈴木寿之
    • 雑誌名

      日本生物地理学会会報 60

      ページ: 69-74

    • NAID

      10017092921

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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