研究課題
若手研究(B)
植物の側性器官である葉の形態形成には多くの遺伝子が関与しているが、その分子機構の詳細は不明な点が多い。そこで葉の形態形成に関わる新規遺伝子を単離するため、葉の形態に多面的影響を与えるasymmetric leaves2 (as2)変異体の表現型を亢進または抑制する変異体の単離と分子遺伝学的解析を行っている。これまでに100以上の変異体を単離し、4系統のマッピングと3系統の原因遺伝子候補を選抜してきた。本年度は亢進変異体#27 as2-1についてゲノム断片による相補性検定により原因遺伝子を同定した。#27変異体と葉の形態形成関連遺伝子の機能欠失変異体2系統とのF2を用いて遺伝解析を行い、いずれについても表現型を亢進することを確認した。さらに#27原因遺伝子の遺伝子上流領域とGUS、35S::GFPと#27原因遺伝子との融合遺伝子の導入個体を作製したので、今後個体での発現領域や細胞内局在を解析する予定である。その他に葉の向背軸分化異常の亢進変異体2系統について原因遺伝子候補を選抜した。前年度見い出したカルス化変異体は、as2の新しいタイプの亢進変異体であると期待されたため、2系統について元のストックから変異をヘテロに持つ個体を分離した。前年度のas2-1抑制変異体についてはAS2との遺伝的相互作用は認められなかったが、新たに下向きカールを抑圧する変異体を単離した。得られた変異体はいずれも遺伝解析用の交配を行った。今後葉の形態形成の分子機構を解析していく上で重要な遺伝資源となると考えられる。
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Plant Journal 51
ページ: 173-184
バイオサイエンスとバイオインダストリー 65
ページ: 16-20
The Plant Journal (印刷中)